私も所属している公益社団法人 劇場演出空間技術協会(JATET)の音響部会から「舞台での感染を防ぐために(新型コロナウイルス感染防止のための安全手帳)β版」が発表されました。

 

ダウンロードはこちら

 

これは主に劇場等の音響スタッフを対象に、マイクロホンやヘッドセット、音響設備機器などの消毒方法をはじめ、出演者と接触する場合の留意事項や作業形態別の留意事項など、舞台を運用するにあたりCOVID-19感染防止の観点から守るべき留意事項がまとめられたものです。

 

なお、対策に関してまだ十分な情報がない点や未確認な点がある状態ですが、現在分かっている情報を早急に公表することが重要との判断から、β版として公表されており、新しい情報が分かり次第、内容が更新されています。ぜひ、定期的にご確認ください。

 

また、有効な対策情報をお持ちの方は、私にでもJATETにでもお知らせ頂ければ幸いです。

 

安全に舞台公演が開催できるようにみんなで頑張りましょう。

 

 

日本建築学会が2008年に策定した「学校施設の音環境保全規準・設計指針」の改定版が6月に発行されました。

 

AIJES表紙 日本建築学会環境基準

 AIJES-S0001-2020

 表紙
 

今回の改定では、音響性能の推奨値については初版から変更ありません。

主な変更点は以下の通りです。

 

保育施設の音環境に対する規準の追加(乳幼児の保育室や学童保育施設を含む)

木造校舎に関する設計指針の追加

鉄骨造校舎に関する設計指針の追加

特別な支援を必要とする子どもの学習環境に関する設計指針の追加

乳幼児の保育空間に関する設計指針の追加

 

初版では小学校、中学校、高等学校を対象としていましたが、最近の社会情勢を反映して、乳幼児の保育や学童保育などにも対象範囲が広がっています。また、木造と鉄骨造を追加し、最近の学校建築の動向も反映した内容となっています。

 

その他、細かいところで情報の追加や見直し、最新規格への対応などが盛り込まれています。

 

電気音響設備に関する変更点は以下通りです。

 

マイクロホン毎の音質補正が可能なシステムを推奨

(ハンドマイクとタイピンマイクを個別にゲイン・音質調整できるように)

・動作特性の測定法として、劇場演出空間技術協会編「劇場等演出空間における電気音響設備動作特性の測定方法 JATET-S-6010:2016」を参照

・標準的なシステム構成例にエアモニターマイクを追加

 

 

と、ここでちょっと話が脱線(でも私的には超重要)しますが...

 

上記のなかで、マイクロホン毎のイコライジングはとても重要なポイントです。

 

例えばワイヤレスマイクのハンドマイクとタイピンマイクでは、構造も感度も口元からの距離も全く異なるので、個別に調整が必要になることは容易に理解できます。

 

ですが、学校等を対象にした業務用オーディオミキサーでこれが可能な製品はほとんどありません。理由は「利用者(先生や生徒)が使えないから」のようですが、納入業者がハウリングや音質に対して適切に調整して納入すれば、利用者が調整をする必要はありません。それなのにマイク毎の調整機能が実装されないのは、実は「利用者」ではなく「現場に納入する業者」が調整・設定できないからだと思われます。

 

ここから、音響設備は明瞭な音を提供することが目的なのに、肝心の音のクオリティには無関心で(音が出ればOKと判断)、機器だけ納入して終わっている状況が目に浮かびます。学校等の音響設備のほとんどが、音に知識や技術力のない業者に発注されているという現実です。

 

納入業者の方々には、音にも意識を向けて頂き、音の知識や技術の向上に力を注いていただきたいと思います。

 

学校側は、機材だけではなく「よい音」を提供してくれるような納入業者を選定するようにして頂きたいと思います。

 

そして、機器メーカには、利用者(先生や生徒)よりも納入業者を客と見るのではなく、明瞭な音が提供できる機器を供給いただくとともに、良い音を実現するための機器の使い方や調整方法を納入業者に指導するようにして頂きたいと思います。

 

海外メーカには、自社製品によるシステムのクオリティを維持するために、メーカが行う研修などを受けて認可した業者にのみ、自社製品の施工を許可あるいは推奨しているメーカもあります。

販売先を広げて多売の可能性を維持しあとは納入業者まかせという思考ではなく、納入業者を限定しても共に自社製品が納入されたシステムのクオリティを高く維持し顧客満足度を高めることで販売と価格とブランド力の維持を図ることを重視する思考です。

日本のメーカは是非見習ってほしいものです。

 

また話が少し派生しますが、

 

学校等に納入されるワイヤレスマイク装置にはかならずハンドマイクとタイピンマイクがありますよね。だったら受信器に予めハンドマイク用とタイピンマイク用の基本的なゲイン・イコライザ・リミッタ設定などを組み込んで、現場に応じて選択可能なったらいいですよね。そうすれば、マイク入力にイコライザがなく古いアナログのオーディオミキサーでも、新しくても適応性のない選択式イコライザしかないデジタルのオーディオミキサーでも、ハンドとタイピンに適切な最低限の音質補正を受信機で設定できます。

 

加えてユーザーEQもあって、会場の音響特性に応じてハウリング制御用のノッチフィルタが入れられたりすれば、とりあえずオーディオミキサーを選ばずに適切な音質が提供できるはずです。昨今、DSPチップはとても安価だそうです。そんな気の利いた製品を出す国内メーカはないものだろうか。

 

もうひとつ。

 

オーディオミキサーとパワーアンプの間に音質補正用のシグナル・プロセッサが導入されているシステムの場合、プロセッサの入出力にワイヤレスマイク分の空きがあれば、それをマイク・イコライジングに活用することもできます。

ワイヤレスマイク受信機のラインレベル出力をプロセッサに通して必要なイコライジングをしてオーディオミキサーに入れる。やや荒業ではありますが、もともと多チャンネルのプロセッサを入れる予定であれば、マイク本数分の入出力を追加することでコストアップも低く抑えられるかと思います。

 

と、気が付けば脱線話の方が長くなってしまいましたが、それくらいマイク毎のイコライジングが重要ってことでご容赦ください。

その重要なことが学会の規準・設計指針に書かれているわけですから、国内メーカ、納入業者、設計者の皆さん、それぞれの立場で考慮して頂きたいです。

 

子どもたちが良い音環境で学習活動ができるように、日本建築学会の学校施設の音環境保全規準・設計指針の改定版、是非、購入して設計に生かしてください。

 

※関連記事「学校体育館の拡声の現状」はこちら

※学校施設の音環境保全規準・設計指針 2008年の初版に関する記事はこちら

 

 

来る12月12日に兵庫県立芸術文化センター・大ホールにおいて第14回舞台技術セミナーが開催されます。

 

 ちらし
 

その内容はなんと、兵庫県立芸術文化センターと札幌の札幌文化芸術劇場hitaru(昨秋オープン)と小倉の北九州芸術劇場、この日本の南北に1,500km離れた3劇場をネットワークで繋ぎ、各劇場に控えるパーフォーマー(兵庫:兵庫県立高砂高校ジャズバンド部、札幌:北海道札幌国際情報高校吹奏楽部、北九州:北九州市立高校ダンス部)がネットーワークを介してセッションするという試みです!

 

一昨年の同セミナーでは、兵庫県立芸術文化センター内の別空間(大ホール舞台と同舞台裏とリハーサル室)をネットワークで繋いだセッションを試行していましたが、今年は別空間の距離がいっきに日本規模に拡張されるようです。

複数の劇場間での連携公演への試行がどうなるのか、非常に楽しみです。

 

また、もう一つのトピックに「親子室」の見直し?新たな使い方?の試案もあるようです。

 

どなたでも無料(要申込)で参加できますので、興味のある方ぜひご参集ください。

 

 名称: 兵庫県立芸術文化センター/ひょうごT2 第14回 舞台技術セミナー

 日時: 2019年12月12日(木) 13時開場(ロビー展示有)、14時開演、18時半閉会

 場所: 兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール

 費用: 無料

 定員: 500名

 申込: ※事前申し込み必要(当日受付も可)

 

※申し込み方法など詳細は、兵庫県立芸術文化センターHPを参照してください。

 

2019年8月30日〜31日、新国立劇場の中劇場においてJATET技術展2019が開催されます。

 

 チラシ
 

今年はセミナーと展示が同じ会場で開催されますので、便利になります。

(舞台前側と客席がセミナー会場、舞台後側が展示会場となります)

 

音響部会のセミナーは初日8/30(金)の13:00〜です。

テーマは「音響空間演出の現在」と題し、演劇での音響空間演出の事例報告と、イマーシブ・オーディオシステムの簡易的な体験を計画しています。

 

その他、建築、機構、照明、映像の各部会のセミナーがあり、展示と併せてご覧いただけます。

業界の動向や最新技術・製品に関する情報を得られるよい機会ですので、ぜひご覧ください。

 

なお、事前申し込み・入金が必要ですので、JATETのHPの技術展ページを参照の上、お申込みください。

 

 

昨年9月6-7日に札幌文化芸術劇場で開催が予定されていたJATETフォーラムが、北海道胆振東部地震の影響で中止となったため、日程と会場を改めて、2月1日(金)に東京・杉並区の「座・高円寺2」で開催されます。

 

 チラシ
 

セミナーの内容は変わりません。5部会のセミナーが1日に凝縮して開催されます。

ぜひご参加ください。

 

10:00 受付開始

10:30〜11:40 音響部会 「仮設電源の現状と持込機器の電源事情

                         及びPA電源の200V化について」

            「新劇場の音響設備概要と特徴について」

12:50〜14:00 照明部会 「LED 照明器具の銘板と用語、

                    およびフィルタ相関DMX レベルについて」

14:10〜15:20 機構部会 「最新の関連指針と新劇場の舞台機構設備」

15:30〜16:40 映像部会 「劇場間ネットワーク」

16:50〜18:00 建築部会 「主要事例から見た音響反射板の類型と傾向を探る(続編)」

 

※予定は変更となる可能性があります。 ※懇親会はありません。

 

※参加には事前申し込み・支払いが必要です。JATETホームページからお申し込みください。

 

9/6〜7の2日間、JATETフォーラム2018が札幌で開催されます。

会場は今秋のオープンを間近に控えた札幌文化芸術劇場hitaru(札幌市民交流プラザ内)です。

 

 ご案内のチラシ
 

音響部会は初日の初っ端で、仮説電源事情とPA電源の200V化についてのセミナーと、札幌文化芸術劇場の舞台音響設備概要を紹介します。

新劇場hitaruの見学会もありますので、ぜひお出掛けください。

 

詳細、申込はJATETのHPをご覧ください。(注:事前申し込み・事前入金が必要です)

 

スケジュール

9/6(木)

10:00 受付開始

10:30〜11:50 音響部会

 「仮説電源の現状と持込機器の電源事情及びPA電源の200V化について」

 「新劇場の音響設備概要と特徴について」

13:00〜14:20 照明部会

 「LED照明器具の銘板と用語、およびフィルタ相関DMXレベルについて」

14:30〜15:50 機構部会

 「最新の関連指針と新劇場の舞台機構設備」

16:00〜17:20 映像部会

 「劇場・ホール等の映像設備デジタル化、ネットワーク化への課題と対応」

  (1)演出空間での仮設設備におけるデジタル伝送及び光ケーブルの活用事例

  (2)デジタル通信の基本と映像設備のインフラとしての光ケーブル及びネットワーク概要

18:00〜20:00 懇親会(要別途申込・別料金)

 

9/7(金)

10:00 受付開始

10:30〜11:50 建築部会

 「主要事例から見た音響反射板の類型と傾向を探る(続編)」

13:00〜15:00 シンポジウム

15:30〜17:00 見学会(要別途申込)

 

参加費(資料代含む・通し券のみ)

会員:5,400円、非会員:7,560円、学生:2,160円 (要事前申込み・事前入金)

 

 

 

日本耐震天井施工協同組合が主催、全国公立文化施設協会(公文協)が共催する「文化施設等の天井耐震化対策研究会ー劇場/映画館/ホール/展示場/公共文化施設ー」が7月4日〜10月11日に渡り全国各地で開催されます。

 

一般施設と異なり、文化施設では音響や遮音をはじめ様々な機能の維持と耐震化の両立が求められます。その辺について法的な解説や実例などの紹介が期待され、私も参加する予定です。

 

札幌、仙台、東京(2回のうち1回)が過ぎてしまいましたが残り14回はまだ参加可能です。興味のある方は日本耐震天井施工協同組合のHPから詳細を確認の上、お申込みください。

 

開催概要

https://jacca.eventcreate.net/event/1583

 

日本耐震天井施工協同組合HP(申し込み)

http://jacca.or.jp/

日本音響家協会 東日本支部主催の技術セミナー「楽器を知ろう」シリーズ、今回は「バイオリン」が取り上げられるそうです。

3/10(金) 13時〜17時 国立音大

興味のある方は協会HPをご確認の上お申し込み下さい。

来年、JATETフォーラム2016/17が東京(1月)と関西(2月)で開催されます。

 

JATETフォーラム2017 
テーマは「舞台技術の現状と今後の方向性」で、概要は以下の通りです。

 

■東京会場 ■関西会場

日時:1/30(月)〜31(火) 10:00開場

会場:座・高円寺2(杉並区)

 

日時:2/17(金) 10:00開場

会場:兵庫県立尼崎青少年創造劇場

  (ピッコロシアター)

1/30

 10:00〜    開場

 10:30〜12:30 音響部会

 13:30〜15:30 映像部会

 15:45〜17:45 シンポジウム

 18:00〜    懇親会

1/31

 10:00〜    開場

 10:30〜12:30 照明部会

 14:00〜15:30 機構部会

 15:45〜17:45 建築部会

2/17

 10:00〜    開場

 10:30〜12:30 照明部会

 14:00〜15:30 機構部会

 15:45〜17:45 建築部会

 

※関西会場は上記3部会のみ

 

 

 

 

 

音響は、東京会場の初日の最初10:30からで、オーディオ・ネットワークについて下記の3人の講師を迎えます。興味のある方は是非ご参加ください。

 

タイトル:「劇場等演出空間におけるオーディオ・ネットワークの現状

  講師: 栗山譲二氏(J.TESORI)

      阿部春雄氏(デジコム)

      菊地智彦氏(ヤマハサウンドシステム)

 

参加には事前申込み・入金が必要ですので、JATETのホームページで詳細をご確認の上、お申込みください。

申し込み締め切りは、東京会場:1/25、関西会場:2/13です。

InterBEE2016が11/16(水)〜18(金)に幕張メッセで開催されます。

 

今年もスピーカデモが行われるようですが、今年は「ポイントソース」、「小型ラインアレイ」、「中・大型ラインアレイ」という3カテゴリーに増え、11社から12製品がエントリーするようです。

 

全部聞くには1.5日間かかるので、今年も大変なイベントになりそうです。

 

詳細は下記をご確認ください。

http://www.inter-bee.com/ja/magazine/special/detail.php?magazine_id=3217