先日、とても久しぶりに信濃町教会を訪れました。
日本基督教団 信濃町教会(新宿区)は9年前に私が永田音響設計在職時に担当した教会です。

きっかけは、教会の方からヘッドウォーン・ワイヤレスマイクの修理に関して連絡があったことでした。せっかくご連絡を頂いたので、しばらくぶりにミサを見学させていただきました。

ヘッドウォーン(耳かけ式)マイクは、タイピンマイクがどうしてもハウリングしてしまうという教会の方からの相談に、私が提案したものでした。これはマイクを口元に近く配置できるのでハウリングに強く、安定して声を集音できるからです。海外では様々なシーンでよく使われていますが、日本ではあまり広まっていません。デモ機を試用して頂いたらとても好評で早速購入されました。

その後ずっと信濃町教会ではミサ中の聖餐の時にヘッドウォーンマイクを使っていて、とても良好だそうです。聖餐の時になると牧師が慣れた手つきでヘッドウォーンマイクを付けて、聖餐台のところに出てこられます。

教会では大きな聖書をめくるのに邪魔になるため、卓上マイクが口元から遠くなりがちです。また、響きの多い礼拝堂ではタイピンマイクを音量を上げて使用すると部屋の響きも拡声されてハウリングしやすくなります。そのような教会空間にヘッドウォーンマイクはとても有効です。耳にかけるのを煩わしがらずに、一度試してみてはいかがでしょうか。


信濃町教会










 調整室での操作の様子


この信濃町教会の新会堂は2004年9月に完成しました。設計は内井昭蔵+内井建築設計事務所、音響設計は永田音響設計です。

礼拝堂は八角形の平面形で3層吹き抜けの高さがあり、200席程の会衆席が正面の祭壇を囲むように円弧上に配置されています。会衆席の後方に、ライル兄弟オルガン製作所(オランダ)のパイプオルガン(15ストップ)を備えています。

写真のように礼拝堂の2階部分に礼拝堂を見渡せる調整室があります。他の教会ではあまり見かけない特徴でしょう。教会の方に、AV設備に詳しく、高齢化が進む中では音響設備が特に重要とお考えの方が居られたので、このようになりました。ここで音響設備とITVカメラ設備の操作が行えるようになっています。

メインスピーカはFPS製パイプラインスピーカ(専用サブウーハ付)で、祭壇の左右に設置されています。(写真で黒い棒状に見えているのがそれです。)

ミキサーはヤマハのデジタルミキサーDM1000です。見た目は操作が難しそうな印象を与えますが、信濃町教会ではミサの進行に合わせてマイクのON/OFFやレベルをシーンに記憶させ、それをユーザー・ディファイン・ボタンに割りてています。当番の方はミサの進行に合わせて順番にボタンを押してゆくだけで、簡単に音響の操作が行えるように工夫されています。デジタルミキサーならではの使い方です。

また、DM1000はポスプロを想定した機種と言えますが、その分、モニターセクションがきちんとしているので、調整室で操作する小規模な設備のミキサーにも使いやすいのです。

竣工から9年間、問題なく良好に稼働しているとのことで、教会の方から非常に満足しているとの言葉をいただき、とても嬉しく思いました。


ライルのパイプオルガンとFPSのスピーカの組み合わせは、奇遇にも私が一昨年から携わっている恵泉女学園大学のチャペルと同じなのです。何かの縁を感じずにはいられません。
 
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