昨年から今年にかけて海外の展示会に行く機会が何度かありました。その道中で目についた吸音仕上げの実例を公共施設を中心に紹介します。

第1弾は、空港編です。


ボストン空港1 まずはボストンのローガン国際空港の国際線ターミナルのチェックインエリアです。全面的に木が使用されています。そして天井の板をよく見ると...

ボストン空港1up なんと有孔板(穴あき板)でした。スリットに設置されたスピーカを撮影しようとしてカメラでズームアップしてはじめて有孔板だと気づきました。そうでなければ有孔板とは全くわかりません。

LAX1 つぎはロサンゼルス国際空港の国際線ターミナルのチェックインカウンター。上部に木製のパネルがあしらわれ、無機質な空間にナチュラルなアクセントを与えています。

LAX1up これもよく見ると有孔板なのです。ボストン空港の天井に比べれば見て有孔板とわかる距離にありますが、それでも普通の方は全く気づかないし、見た目に違和感も感じないと思います。私は職業柄気づきましたが。

LAX2 同じくロサンゼルス国際空港の搭乗ロビーです。天井が白くて高い空間の中に、木調の庇が連続しています。そして、

LAx2up1 この木調の庇には微細穿孔板(MPP,Micro-Perforated Panel)が使用されていました。微細穿孔板はシートや薄い板に直径1mm以下の微細な穴を開けたもので、背後に空気層を持たせて設置することで吸音効果が得られます。庇は木に見せていましたが、木目調のシート張りのようです。
 微細穿孔板は一般の有孔板より意匠的な影響が少ないですが、吸音する周波数範囲が狭いので注意が必要です。

LAX2up2 一方、白く高い天井面はパンチングメタルです。天井が高いので穴はもちろん、目地さえ気づきません。

ウィーン国際空港1 つぎはヨーロッパに飛んで、ウィーン国際空港です。2012年にオープンしたという新しいターミナルで、モノトーンでモダンなデザインです。

ウィーン国際空港1up ここの天井面は照明器具を除いてすべてパンチングメタルのパネルになっていました。

ウィーン国際空港2 同じくウィーン国際空港。ここは先ほどの到着ゲートからバッゲージクライムに向かう通路です。天井一面がシームレスな有孔板になっています。この全面シームレス有孔板、ウィーンやドイツでは何度か見かけましたが、日本ではあまり好まれないですね。どうしてでしょう。

ウィーン国際空港2up1 点検口の周りはこんな風に穴をふさいでいます。

ウィーン国際空港2up2 照明器具の周りも点検口と同じディテールで仕上げられています。

ドゴール空港ラウンジ1 空港編の最後はシャルル・ド・ゴール国際空港のラウンジです。天井の木パネルはすべて有孔板です。日本では、有孔板=格好悪いというレッテルが貼られている感じがしますが、これをみて全然そんな風に感じません。

ドゴール空港ラウンジ2 これは同じラウンジの別エリア(上の写真の右側)ですが、木パネルでないグレーの天井部分はアコースティック・シーリング(日本でいう岩綿吸音板のようなもの)です。素材を変えていますが全面吸音仕上げになっています。

以上、空港編でした。
欧米でも有孔板が吸音仕上げのメジャーな材料のようです。天井を吸音処理するのは日本も同じですが、有孔板の使い方は日本より大胆で、しかも格好良いようです。

次は鉄道編の予定です。
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