先日、高校の文化祭を見に行きました。

 

娘の学年は体育館のステージでパフォーマンスをすることになっていました。

歌とダンスとショートコントなどを中心にした内容が多く、ミュージック・ステーション(音楽番組)をCMも含めて再現するなど趣向を凝らした組もありました。

 

ステージを見ていて、生徒たちのセリフやMC、そして伴奏の音楽がよく聞こえ、音質も良いことに気付きました。

 

ステージに近づいてみると、大型スピーカがスタンドで仮設されていました。しかもプロ用のEAW社製です。学校の先生や出入りの電気設備業者にはできないチョイスです。

 

おそらく、ステージ公演の音響操作をPA会社など音響のプロに委託していて、仮設スピーカやワイヤレスマイクなどはその会社の機材でしょう。もしくは、学校所有の機材だとすると、その選定や使用方法指導にはPA会社など音の専門家がアドバイスされていることでしょう。ナイス!

 

生徒たちのパフォーマンスがよい状態で観客に届けれられると → 観客が盛り上がる → それが演者にも伝わる → 演者も楽しめる、充実感・満足感が得られる → 次もやりたい・もっと盛り上げたいという向上心につながる、 という良い循環はだれにでも容易に想像できることでしょう。

 

これこそが教育の場でこのようなパフォーマンスを行う意味だと思います。

 

では、これが逆だったらどうでしょうか。

 

生徒たちのMCや台詞の内容が聞こえない → 観客がリアクションできない・パフォーマンスに集中しない → オチで笑わない、キメで盛り上がらない → 演者が手ごたえを感じられない → 演者は楽しめないどころか嫌になる → 頑張って練習したことに疑問をもつ・無駄に感じる → 興味を持てない・バカバカしく.... となることも、容易に想像できます。

教育としてパフォーマンスを生徒たちに実践させる意味がないどころか、逆効果でしょう。

 

でも、これに近い状況は身近な小学校〜高校で頻繁にあることです。台詞の途中で途切れるワイヤレスマイク、組体操やダンスの途中で止まる伴奏音楽、保護者会の先生の話の内容が聞き取れない体育館の音響設備など、経験ありませんか?

 

ですから、あの高校の先生方あるいは関係者方は、生徒に文化祭でパフォーマンスさせる目的をきちんと理解されていると感じ、嬉しく思いました。生徒たちも幸せです。

(ただし、本来それが当たり前ですが)

 

***

 

その後のある日、学校から保護者宛てのプリントが届きました。

 

内容は、同校の「体育館ステージでの行事や学習発表、イベント開催をサポートする機材の充実」のための「寄附」のお願いでした。(具体的には大型スクリーンとプロジェクタ、各種照明器具、音響設備等の演出関連装置の購入)

 

しかも、その寄附が「ふるさと納税」に該当するというのです。

 

これは兵庫県の「ふるさとひょうご寄附金」(ふるさと納税)の中の「県立学校環境充実応援プロジェクト」という寄附メニューで、県立学校が独自に使用目的を設定して寄付を募集する仕組みを活用したものでした。寄附金の使用目的は、部活動の支援費用、図書館の充実、エアコン費用など学校によって様々です。なるほど、こう言う方法もあるんだと感心しました。

 

それにしても娘の学校の寄附目的が演出機材だというのは何かの縁でしょうか。

 

プリントには次の一文がありました。

 

「〜これらの機器の拡充は、文化祭での演劇、シンポジウムや発表会などで、生徒たちのパフォーマンス力を大いに高めてくれるものと思います。ぜひ、このプロジェクトにご賛同いただきお力をお貸しください〜」

 

ふるさと納税を活用した方法も勿論ですが、何よりこの気持ちが嬉しいですね。もちろん協力します。

 

 

そういえば以前、小学校のPTAで学校への寄付品を決める際に、その年の運動会でトラブル続出だったワイヤレスマイクの更新を提案したのですが、「新しい紅白幕が欲しい」という校長先生の意見に一蹴されたことを思い出しました。(苦)

 

 

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