先日、電車に乗車中にかかってきた電話に、目的駅で下車してからホームで折り返しました。
ところが、列車の通過音や発車ベル音や案内放送でホームがとてもうるさくて、まともに電話が出来ません。案内放送は隣のホームのアナウンスまでがガンガン聞こえてきます。
騒音を避けようとホームの端まで移動してみたものの、残念ながらあまり効果ありませんでした。そういえば、駅ってホームに限らず、落ち着いて電話できるスペースがないですね。
駅(ホームの数)や時間帯が違えば変わるのでしょうが、でも、総じて騒々しいですよね。
以前ある駅で、当時小学校6年生の息子が「上りと下りのアナウンスが混ざって何言ってるのか全然わからないね」と言っていました。ごもっとも。案内、安全確保のためのアナウンスがこの状態で良いのでしょうか。
駅は元々、列車の走行音や雑踏など騒音が多い環境です。アナウンスをはじめとする注意喚起は、これらの騒音に負けないように大きな音で流すことが必要なのは理解できます。S/N比(Signal/Noise)を確保することは拡声の基本です。
しかし、拡声音を大きくする事だけを考えていては、騒音が増加したら、さらに大きな拡声音を発生させることになり、駅はやかましくなるばかり、悪循環です。
S/N比の確保には、シグナルを大きくするだけでなく、ノイズを低減することも重要です。
駅では、むしろ騒音を抑制することの方が効果的もしくは必須だと思われます。
しかし、利用者が多い主要駅を見ても、吸音処理はほとんど施されていないようです。
以前、学会の公共空間の音環境をテーマにしたセッションで、「駅の音環境改善のために吸音を提案するが、その必要性は理解されても、それが会社の利益に直結しないので採用されない」という話があったのを思いだします。
吸音により騒音レベルが下がれば、発車ベル音もアナウンスも隣のホームまで届くほどの大きさにする必要がなくなり、必要なアナウンスが必要なホームだけに明瞭に届けられ、聞き取りやすく、駅全体の音環境が快適になるでしょう。
そうしたら不幸な事故も減らせるのではないでしょうか。