来年、JATETフォーラム2016/17が東京(1月)と関西(2月)で開催されます。

 

JATETフォーラム2017 
テーマは「舞台技術の現状と今後の方向性」で、概要は以下の通りです。

 

■東京会場 ■関西会場

日時:1/30(月)〜31(火) 10:00開場

会場:座・高円寺2(杉並区)

 

日時:2/17(金) 10:00開場

会場:兵庫県立尼崎青少年創造劇場

  (ピッコロシアター)

1/30

 10:00〜    開場

 10:30〜12:30 音響部会

 13:30〜15:30 映像部会

 15:45〜17:45 シンポジウム

 18:00〜    懇親会

1/31

 10:00〜    開場

 10:30〜12:30 照明部会

 14:00〜15:30 機構部会

 15:45〜17:45 建築部会

2/17

 10:00〜    開場

 10:30〜12:30 照明部会

 14:00〜15:30 機構部会

 15:45〜17:45 建築部会

 

※関西会場は上記3部会のみ

 

 

 

 

 

音響は、東京会場の初日の最初10:30からで、オーディオ・ネットワークについて下記の3人の講師を迎えます。興味のある方は是非ご参加ください。

 

タイトル:「劇場等演出空間におけるオーディオ・ネットワークの現状

  講師: 栗山譲二氏(J.TESORI)

      阿部春雄氏(デジコム)

      菊地智彦氏(ヤマハサウンドシステム)

 

参加には事前申込み・入金が必要ですので、JATETのホームページで詳細をご確認の上、お申込みください。

申し込み締め切りは、東京会場:1/25、関西会場:2/13です。

InterBEE2016が11/16(水)〜18(金)に幕張メッセで開催されます。

 

今年もスピーカデモが行われるようですが、今年は「ポイントソース」、「小型ラインアレイ」、「中・大型ラインアレイ」という3カテゴリーに増え、11社から12製品がエントリーするようです。

 

全部聞くには1.5日間かかるので、今年も大変なイベントになりそうです。

 

詳細は下記をご確認ください。

http://www.inter-bee.com/ja/magazine/special/detail.php?magazine_id=3217

 

先日、音響設計を担当させていただいたSalon de l'Olivier(吹田市豊津町)でのコンサートに伺いました。演奏は、Miha Rogina (sax)、Sae Lee (pf)、白井奈緒美(sax、ゲスト)で、sax二人とピアノという中々聴けない構成でした。ソファーに座って聴くのも初めての経験でした。

 

 サロンの内観

(ピアノから客席をみる)
このサロンは、自宅のリビングでサロン・コンサートをしたいというオーナーのご要望によるもので、設計は関井徹建築設計事務所です。内装の主要な素材は決まっていましたので、天井の仕上げで低音と高音の吸音のバランスをとり、コテで模様をつけた漆喰塗りや天井の棹縁で反射を弱めることと音の散乱を図りました。

終演後、演奏の皆さんに音響が良いと言っていただきホッとしました。

 

別室の練習室も担当させて頂きました。こちらはピアノが置かれる練習室で、室を不正形にして定在波を抑えるとともに、3種類の吸音構造を組合せて低音と高音の吸音のバランスをとりました。練習のために響きは短いけれど反射は残すように意図したのですが、本番前に音出しした演奏者の皆さんからはストレスなく演奏できたとのコメントを頂きました。

 

 練習室の内装

(プライベートに関わらない壁上部〜天井部分のみ掲載します)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

音響は主観的な部分が多分にあり、こちらの音響的な意図が必ずしも演奏者の意向にマッチするとは限らないので、演奏の方とお会いする時はいつもドキドキです。今日は安堵して帰路につくことができました。

 

Salon de l'Olivier

https://www.facebook.com/salon.de.l.olivier

 

7月に音響設備の見学会に参加しました。

 

■カトリック東京カテドラル関口教会・聖マリア大聖堂

 

1件目は、その特徴的な建築形状と長い残響で有名な、カトリック東京カテドラル関口教会の聖マリア大聖堂です。代々木体育館や東京都庁を手掛けられた故丹下健三氏の設計で、1964年(昭和39年)の完成です。

 

関口教会 特徴的な外観の聖マリア大聖堂
大聖堂は、その特徴でもあるコンクリートの打ち放し仕上げによって残響時間が約7秒と非常に長いために、建設当初より言葉が聞き取りにくいとの指摘があったそうですが、まだ当時はラテン語でミサが行われていたために、それほど大きな問題にはならなかったそうです。

 

それがその後に、全世界的なカトリック教会の会議で、各国の言葉でミサを行うという方針に改められたことにより、言葉が聞き取れるかどうかが重視されるようになり、聖マリア大聖堂でもその対策に長年頭を悩ませてきたそうです。

 

「各国の言葉で」という方針転換により、儀式の音としての言葉でなく、意味のある情報としての言葉になったとたんに、聞き取りやすさの重要性が変わる・・・、拡声の本質を端的に示す好例と感じました。

 

今回の改修では、対象とする室の条件に合せて音の放射パターンを制御するビーム・シェイピング機能を有した最新のスピーカを採用して、拡声音を会衆席に集中し、壁や天井への余分な音の放射を低減させ残響の発生を極力抑制することで、言葉の明瞭さを向上させるという手法が用いられていました。

(改修の詳細が、プロサウンド誌2016.6月号に写真と共に掲載されていますので、興味のある方は是非ご参照ください。)

 

見学会では、生声と拡声音のほか、パイプオルガンも聞かせて頂き、とても有意義でした。

 

 

■コニカミノルタ・プラネタリウム「満天」

 

2件目は、昨年12月にリニューアル・オープンした、池袋サンシャインシティのプラネタリウム「満天」を見学しました。

 

満天 最新のプラネタリウム装置はこんな形
私が子供のころのプラネタリウムの装置は2つの球体がつながったダンベルみたいな形をしていましたが、最新の装置は球体ひとつになっていて、さらに、光出力が高くなって旧来よりも多くの星を再現できるようになったことは、数年前に子供を連れて見に行った際に知りました。

 

加えて、最近では集客を拡大するために、星を学ぶ内容だけではなくて、プラネタリウムでしか見られない有名アーティストとコラボレーションした音と映像のエンターテインメント作品の制作・上映が行われていました。

これはプラネタリウムによる星の投影とビデオプロジェクタによる映像をミックスすることで制作されています。また、音もサラウンド化され、それに対応した音響システムが導入されていました。

 

プラネタリウムという特殊な空間を活かした質の高いコンテンツ制作が進めば、近い将来、ライブハウスや映画などとならんで、プラネタリウムというエンターテインメントのジャンルが確立されるかもしれません。

 

最近よく利用する航空会社の飛行機は、機内の各列にスピーカがありました。

その重要性が認められ、酸素マスクと同格に昇格です。素晴らしい!

 

機内スピーカ 機内のスピーカ

(隣の長円形は酸素マスク格納部)
(笑)

 

たまたま入った音楽喫茶店。

年季が入ったスピーカから流れるピアノCDの音の横で、お湯を沸かす音、ミルで珈琲豆を挽く音、ピラフを炒める音(個人的にここに感慨を覚えます。笑)などがするけれど嫌ではない。

音を出す店員が気を遣っているから、音が無神経じゃない。むしろいい味に感じる。

人間の不思議。

 

音楽喫茶店 音風景のひととき
 

今年1月のJATET技術展2016のセミナーで紹介・解説されたJATET規格「劇場等演出空間における音響設備動作特性の測定方法」JATET-S-6010:2016 が、JATETのホームページで購入できるようになっています。

 

測定法表紙 規格書の表紙
 

昨年末(2015.12.26)の本ブログでも紹介したとおり、この測定方法は、1985年に旧日本劇場技術協会から発行され参照されてきた「電気音響設備動作特性の測定方法 JITT A2001」を、現在の状況や技術、関連規格に応じて改訂したものです。

 

次の5つの測定項目について規定されています。

・伝送周波数特性

・音圧レベル分布

・安全拡声利得

・最大再生音圧レベル

・残留雑音レベル

 

旧規格の考え方を踏襲しつつも、現在の運用状況や音響技術や関連JIS規格等との適合のために、一部の測定項目では測定条件等を改めている部分もあります。音響設備設計や施工に関わる皆さんには関連の高い内容ですので、早急に入手されて、新規格の理解と普及にご協力をお願いします。

 

購入方法など詳細はJATETのホームページをご覧ください。

http://www.jatet.or.jp/publish/

 

5月のことですが、改修されたロームシアター京都(旧京都会館)の見学会に参加しました。

 

旧京都会館は、東京上野の東京文化会館でも知られる建築家、故前川國男氏の代表作のひとつです。老朽化と機能向上のために改修され、2016年1月にリニューアル・オープンしました。改修の基本設計・監修は香山壽夫氏(香山壽夫建築研究所)で、建築音響設計は永田音響設計が担当されています。

 

京都外観 ロームシアター京都の外観

(南西から見る)
メインホール(旧第1ホールを改築)は、4層のバルコニーをもつ2,005席で、音響反射板とオーケストラピットを有し、クラシックコンサートやオペラからポピュラーコンサートまで対応する多機能ホールとのことです。

 

京都メインホール メインホール
サウスホール(旧第2ホールを改修)は、1層のバルコニーをもつ716席です。花道や張出舞台の仮設が可能で、演劇などを指向しているようですが、音響反射板も有しており、多目的な利用が可能な中規模ホールとのことです。

 

京都ノースホール サウスホール
どちらのホールも舞台に立つと客席がとても近くに感じられるホールでした。出演者は気持ちが高揚するでしょう!

 

 

見学していて感じたのは、スピーカを隠さず機能を見せるデザインがされていることでした。

無理に隠すよりも素直に感じるのは私が音響家だからでしょうか?(笑)

音響設計の立場からは音に与える余計な影響がないので大歓迎です。

劇場を良く知っている人の設計はさすがだと感じます。

 

京都SP1 サウスホールのサイドスピーカ

(3層に分散して露出設置されています)
 

京都SP2 メインホールのサイドバルコニー天井のスピーカ

(掘り込みに半埋め込み設置)

 

 


 

(拡大)京都SP3


見学後には「モダニズム建築の保存改修について考える」というシンポジウムが開催されました。

 

京都シンポ シンポジウムの様子
そのなかでロームシアター京都の設計を担当された香山先生は、「保存改修は建物の手入れであり当たり前のこと。これが何故モダニズム建築では問題になるのか。」をテーマにお話しされました。その着眼点が流石で納得しました。

 

見学にシンポジウム、とても有意義な一日でした。

 

先日、電車に乗車中にかかってきた電話に、目的駅で下車してからホームで折り返しました。

 

ところが、列車の通過音や発車ベル音や案内放送でホームがとてもうるさくて、まともに電話が出来ません。案内放送は隣のホームのアナウンスまでがガンガン聞こえてきます。

 

騒音を避けようとホームの端まで移動してみたものの、残念ながらあまり効果ありませんでした。そういえば、駅ってホームに限らず、落ち着いて電話できるスペースがないですね。

駅(ホームの数)や時間帯が違えば変わるのでしょうが、でも、総じて騒々しいですよね。

 

以前ある駅で、当時小学校6年生の息子が「上りと下りのアナウンスが混ざって何言ってるのか全然わからないね」と言っていました。ごもっとも。案内、安全確保のためのアナウンスがこの状態で良いのでしょうか。

 

駅ホーム 
 

駅は元々、列車の走行音や雑踏など騒音が多い環境です。アナウンスをはじめとする注意喚起は、これらの騒音に負けないように大きな音で流すことが必要なのは理解できます。S/N比(Signal/Noise)を確保することは拡声の基本です。

 

しかし、拡声音を大きくする事だけを考えていては、騒音が増加したら、さらに大きな拡声音を発生させることになり、駅はやかましくなるばかり、悪循環です。

 

S/N比の確保には、シグナルを大きくするだけでなく、ノイズを低減することも重要です。

 

駅では、むしろ騒音を抑制することの方が効果的もしくは必須だと思われます。

しかし、利用者が多い主要駅を見ても、吸音処理はほとんど施されていないようです。

 

以前、学会の公共空間の音環境をテーマにしたセッションで、「駅の音環境改善のために吸音を提案するが、その必要性は理解されても、それが会社の利益に直結しないので採用されない」という話があったのを思いだします。

 

吸音により騒音レベルが下がれば、発車ベル音もアナウンスも隣のホームまで届くほどの大きさにする必要がなくなり、必要なアナウンスが必要なホームだけに明瞭に届けられ、聞き取りやすく、駅全体の音環境が快適になるでしょう。

 

そうしたら不幸な事故も減らせるのではないでしょうか。

 

先日、高校の文化祭を見に行きました。

 

娘の学年は体育館のステージでパフォーマンスをすることになっていました。

歌とダンスとショートコントなどを中心にした内容が多く、ミュージック・ステーション(音楽番組)をCMも含めて再現するなど趣向を凝らした組もありました。

 

ステージを見ていて、生徒たちのセリフやMC、そして伴奏の音楽がよく聞こえ、音質も良いことに気付きました。

 

ステージに近づいてみると、大型スピーカがスタンドで仮設されていました。しかもプロ用のEAW社製です。学校の先生や出入りの電気設備業者にはできないチョイスです。

 

おそらく、ステージ公演の音響操作をPA会社など音響のプロに委託していて、仮設スピーカやワイヤレスマイクなどはその会社の機材でしょう。もしくは、学校所有の機材だとすると、その選定や使用方法指導にはPA会社など音の専門家がアドバイスされていることでしょう。ナイス!

 

生徒たちのパフォーマンスがよい状態で観客に届けれられると → 観客が盛り上がる → それが演者にも伝わる → 演者も楽しめる、充実感・満足感が得られる → 次もやりたい・もっと盛り上げたいという向上心につながる、 という良い循環はだれにでも容易に想像できることでしょう。

 

これこそが教育の場でこのようなパフォーマンスを行う意味だと思います。

 

では、これが逆だったらどうでしょうか。

 

生徒たちのMCや台詞の内容が聞こえない → 観客がリアクションできない・パフォーマンスに集中しない → オチで笑わない、キメで盛り上がらない → 演者が手ごたえを感じられない → 演者は楽しめないどころか嫌になる → 頑張って練習したことに疑問をもつ・無駄に感じる → 興味を持てない・バカバカしく.... となることも、容易に想像できます。

教育としてパフォーマンスを生徒たちに実践させる意味がないどころか、逆効果でしょう。

 

でも、これに近い状況は身近な小学校〜高校で頻繁にあることです。台詞の途中で途切れるワイヤレスマイク、組体操やダンスの途中で止まる伴奏音楽、保護者会の先生の話の内容が聞き取れない体育館の音響設備など、経験ありませんか?

 

ですから、あの高校の先生方あるいは関係者方は、生徒に文化祭でパフォーマンスさせる目的をきちんと理解されていると感じ、嬉しく思いました。生徒たちも幸せです。

(ただし、本来それが当たり前ですが)

 

***

 

その後のある日、学校から保護者宛てのプリントが届きました。

 

内容は、同校の「体育館ステージでの行事や学習発表、イベント開催をサポートする機材の充実」のための「寄附」のお願いでした。(具体的には大型スクリーンとプロジェクタ、各種照明器具、音響設備等の演出関連装置の購入)

 

しかも、その寄附が「ふるさと納税」に該当するというのです。

 

これは兵庫県の「ふるさとひょうご寄附金」(ふるさと納税)の中の「県立学校環境充実応援プロジェクト」という寄附メニューで、県立学校が独自に使用目的を設定して寄付を募集する仕組みを活用したものでした。寄附金の使用目的は、部活動の支援費用、図書館の充実、エアコン費用など学校によって様々です。なるほど、こう言う方法もあるんだと感心しました。

 

それにしても娘の学校の寄附目的が演出機材だというのは何かの縁でしょうか。

 

プリントには次の一文がありました。

 

「〜これらの機器の拡充は、文化祭での演劇、シンポジウムや発表会などで、生徒たちのパフォーマンス力を大いに高めてくれるものと思います。ぜひ、このプロジェクトにご賛同いただきお力をお貸しください〜」

 

ふるさと納税を活用した方法も勿論ですが、何よりこの気持ちが嬉しいですね。もちろん協力します。

 

 

そういえば以前、小学校のPTAで学校への寄付品を決める際に、その年の運動会でトラブル続出だったワイヤレスマイクの更新を提案したのですが、「新しい紅白幕が欲しい」という校長先生の意見に一蹴されたことを思い出しました。(苦)