音響設計を担当させて頂いた d&b audiotechnik Japan社(横浜市都筑区)のデモルームが完成しました。

Black range side BLACK RANGE side

デモルームは同社のスピーカとパワーアンプのラインナップを常時備えて、試聴やセットアップなど各種デモンストレーションを行える空間として、また、各種セミナーなどにも活用する空間として計画されました。

デモルームの一方のエンドがツアーサウンド向けのBLACK RANGE製品エリアに、他方が設備音響向けのWHITE RANGE製品エリアになっています。


White range side WHITE RANGE side

音響設計のコンセプトを次のように設定しました。

 1) スピーカの素の音が分かるように、空間の音響がスピーカ音に癖を与えないようにする。
 2) 響きは抑えるが、無響室のように不快でなく、セミナー等で長時間いても違和感のない音響とする。

そのために
 ・響きを抑える(低音から高音までできるだけ均一に)
 ・フラッターエコーの抑制
 ・定在波、ブーミングの抑制
 ・適度に反射を残す

これらを実現するために内装デザインにも見えないところにも音響的な処理を取り入れた設計をしていただきました。特に側壁にその多くが詰まっています。


Wall and ceiling 音響と意匠を兼ねた側壁のななめ
 木格子と天井の木ルーバー
 白い壁面はグラスウール系の
 吸音ボード

内装には東京・多摩産の杉材を無塗装で使用しました。これは内装設計をお願いした すわ製作所の提案によるもので、地産材を使うことで東京の森林整備に役立ち、環境保全にもつながるとのことです。「音響」と「人」と「環境」に配慮した、居心地のいいデモルームになりました。


デモルームでは6月から定期的に3つのセミナー(電気音響学セミナー、ラインアレイワークショップ、リモートネットワークワークショップ)が開催されます。どなたでも無料で参加できるそうですので、興味のある方は同社HPをご覧ください。
劇場演出空間技術協会(JATET)の「劇場等演出空間電気設備指針」が改訂されます。
同指針は劇場やホールの舞台設備(機構・照明・音響・映像等)と関連する電気設備についての指針です。
その改訂内容を中心にした解説講習会が下記の通り催されるそうです。


東京会場:7/22(火)10時〜17時 @主婦会館プラザエフ(四ッ谷)

大阪会場:7/28(月)10時30分〜17時30分 @大阪産業創造館(堺筋本町)

参加費:会員12,000円、会員外20,000円

※参加費には改訂版の指針1冊が含まれます。


参加申し込みは5/19からJATETホームページで受付開始予定とのことです。
詳細はJATETのホームページをご覧ください。
http://www.jatet.or.jp/forum/JF2014/


いわき芸術文化交流館アリオス(福島県いわき市)が4/26に来館者数400万人を突破しました。おめでとうございます。

アリオス外観 いわきアリオス

第1次オープンから6年での達成です。関係者としてとてもうれしく思います。
(私は舞台音響設備を担当しました)
これからも市民の方々がここで沢山の感動に触れていかれることを願っています。

いわきアリオスのホームページの記事
http://iwaki-alios.jp/cd/app/?C=news&H=default&D=00570

福島民報の記事
http://www.minpo.jp/news/detail/2014042915381

ちなみに下の写真は中劇場の調整室から舞台を見たところです。
調整室の窓は4枚の引き戸を使って幅2.7mに渡って開放できるようにしました。
客席内の音が良く聞こえますよ。

アリオス中劇場調整室 中劇場の調整室から舞台を臨む
 (窓全開時)

 
「4月に入ってから時々、演壇マイクからノイズが出て使えなくなるときがあるので見てほしい」という連絡を受けて現場に行ってきました。

演壇マイクはグースネック型のコンデンサマイクです。


演壇マイク 演壇のマイク


確認をはじめた時にはノイズは出ていませんでしたが、いろいろ触って動かしているうちに「ブーン」とハムが鳴り出しました。施設の方が言われたノイズとはこのことでした。

マイクは同じものが2本常設されているので、まずそれらを入れ替えてみましたが、音量が違うもののどちらもハムが出ました。

となると原因はマイクではない?となり、マイクのベーススタンド → コネクタ部 → ケーブル → ミキサーのチャンネル、と順に確認していきましたが、原因個所が特定できません。

やっぱりマイクが怪しいな、とマイクに戻ってしばらく眺めていました。何気なくウインドスクリーンを外したら...。
なんとマイクヘッドが緩んでいるではありませんか。これか!


緩んだマイクヘッド 緩んでいたマイクヘッド

マイクヘッド締めた状態 締め直した状態

ウィンドスクリーンで覆われていたので見落としていました。
そういえば確認を始めたときにタッチノイズが大きいなと思った記憶が蘇ります。その時に気づくべきでした。
しかも、もう一方のマイクも緩んでいたのです。どちらか一方だったらマイクを入れ換えた時にマイクに問題があると特定できたことでしょう。

マイクヘッドを締め直したらタッチノイズは激減し(当たり前ですが)、ハムも起こらなくなりましたし、起こりそうな気配もない状態になりました。

ウインドスクリーンがふわふわしているので、誰かつまんでくるくる回していじくってたのかな、なんて想像します。

思った以上に時間が掛かってしまいましたが、解決することができて良かったです。
今日も勉強になった一日でした。
3/19に行われた日本音響学会の建築音響研究会(3月度)に出席して発表をしてきました。

会場は2012年8月オープンした静岡市清水文化会館「マリナート」です。
(PFI事業。建築設計:槇総合計画事務所+大成建設、音響設計:ヤマハ)

私はマリナートのとなりにある清水テルサ(2000年完成)を担当していましたが、当時は清水駅の東側に出口はありませんでした。様子が一変しているのに驚きました。

 会場の静岡市清水文化会館
 「マリナート」


前半は小ホールにて以下の発表がありました。

・スピーカの設置状況が再生周波数特性に与える影響について/内田匡哉(内田音響設計室)
・拡散音場は存在するか?/久野和宏
・NC曲線の拡張利用に関する検討/川上福司(Sound Concierge),寺園信一(アコー)
・静岡市清水文化会館マリナート −文化によるまちづくり−/福永知義(槇総合計画事務所)
・静岡市清水文化会館マリナートの音響設計/宮崎秀生(ヤマハ)


 研究発表の会場となった
 小ホール


研究発表のトップバッターは私でした。発表内容の概要は以下のとおりです。

「スピーカの設置状況が再生周波数特性に与える影響について」

ホールや劇場に音響設備のスピーカが設置される場合、その多くは建築意匠と一体となるように内装仕上げの中に設置され、前面には化粧パネル等が取り付けられます。建築意匠的には当然のことであり理解しますが、その状況によってはスピーカの再生音質に大きく影響を与えることがあります。これらは頻繁に経験することですが、その影響をデータとして示した例は多くありません。そこでスピーカの設置状況が再生周波数特性に与える影響について、いくつかの実ホールでの測定結果を紹介しました。

また、そのような周波数特性への影響はイコライザ装置によって電気的に除去できると思われがちですが、実際には影響を除去することはできません。なぜならイコライザによる音響調整は元信号に対して施すもので、影響によるレベル増加(あるいは低減)を考慮して予め元信号を低下(あるいは増加)しているからです。

つまりスピーカの設置環境によって生じた影響は電気的には除去できずに必ず残ります。よってスピーカの設置場所に対する建築面での音響的配慮が基本的なスピーカの再生音質を左右すると言えるので、十分な配慮が必要です。

というものです。興味のある方は資料がありますのでお問い合わせください。


 大ホールでの試聴の様子

 大ホールの客席側
 シーリング投光室をブリッジに
 して高い天井が確保されている


後半は施設見学に加えて、大ホールと小ホールのそれぞれでプロの演奏家によるピアノとチェロの演奏の試聴が行われました。

大ホールでは、低域までの反射音を得るために側壁の内装仕上げボードをコンクリート躯体に直貼りされたとのことで、それが響きに感じられるように思いました。また、空間を最大限に確保したことで得られた余裕ある響きを楽しみました。

 
2/25、彩の国さいたま芸術劇場の小ホールで、「舞台で活躍するピアノの魅力を探る」と題した舞台技術セミナーが行われました。


舞台 開演前の会場の様子


パネラーは国立音楽大学准教授の森太郎氏(楽器音響学、音楽音響学)、松尾楽器商会のコンサートチューナー外山洋司氏、ピアニストの仲道郁代さんと豪華メンバーです。

舞台にはピアノとスクリーンとパネラーの席が用意され、実際に音を出した実験を中心に解説が進められました。

最初に森氏が音と聴覚の基礎を解説されました。2つの音の周波数が微妙にずれていると生じる「うなり」や、音の高さによって聞き取れる最少の音の大きさが違うこと、ピアノの響板がどのくらい振動を音にして放射しやすいかなど、実際に音を出した実験を交えて解説されました。

次に外山氏がピアノの発音の仕組みと調律師が何を目指してどのようなことをしているかを、こちらも実演を交えて解説されました。特に興味深かったのは、ピアノは1音につき3本の弦が張ってありそれぞれを微妙に調整して音を豊かにしているという解説の際に、実際に各音の2本の弦をフェルトでダンピングして1音あたり1本の弦だけの状態にして、通常の状態と仲道さんの演奏で聴き比べしたことです。こんなことまず経験できません。その差は想像どおり、音が単純になってつまらなくなってしまいました。


外山氏の実演 外山氏が2本の弦を
 ダンピングしている様子


また、曲によってそれぞれの音が弾かれる回数が大きく違うので音によってハンマーの硬くなり方が全く違ってしまう、とか、室温の変化によって調律がずれるが音の高さによって狂い方が違う、とか、キャスターの向きによって響板の反りが変わって音が変わる、とか、ピアノの足を置く位置で音が変わる、など勉強になる話題が沢山紹介されました。

森氏と外山氏の解説中、なにかあると仲道さんがコメントをされました。例えば、ピアニストのタッチに合わせてピアノを調律するのは好まない、楽器としてニュートラルであるのが良い、など。

仲道さんはお淑やかなお顔と穏やかな話し方とは裏腹にピアニストの熱い思いを各所で述べられました。なかでも強く印象に残ったのは、ピアノは他の楽器と異なり会場のピアノを使用し、かつ演奏者ではピッチやハンマーの硬さなど楽器の状態を調整できないので、限られた演奏技術を駆使して楽器の状態を克服しつつ音楽的・芸術的表現を行っている、というコメントでした。だから、是非ピアノを良い状態に保つ努力をしてほしい、と。「良いピアノと状態の良いピアノは違う」と仲道さんが強く述べられていたのが印象的でした。

仲道さんの実演 ピアノを弾きながら
 熱く語る仲道さん


ちなみに同劇場のピアノは開館から20年の間に2回オーバーホールをしているそうですが、プロのコンサートやレコーディングに全く問題なく使われているそうです。外山氏は、ピアノの正常な状態を知っていれば問題点は見ただけでも分かります、と言われました。知識の習得と適切なメンテナンスが大切だという、当たり前のことが重要なのです。

さいたま芸術劇場では、いわゆる劇場法制定を受けて、このようなセミナー等を今後も開催していく予定とのことです。
 
700MHz利用推進協会、特ラ連、舞台音響家協会主催の新周波数に対応したワイヤレスマイク(特定ラジオマイク)のテスト会が2/18に北とぴあで開催されました。

A型ワイヤレスマイクの周波数移行はPA関連業務の方にはとても大きな問題です。570名もの方が来場され、各社の説明とデモを熱心に聞いていました。


会場の様子









 多くの参加者が来場した
 会場の様子


今回テストが行われたメーカと機種は以下の通りです。
(D:デジタル式、A:アナログ式、WS:ホワイトスペース+710〜714MHz帯)

 1)SENNHEISER: D9000シリーズ(D、WS帯)
           5000シリーズ(A、WS帯)
 2)SONY:     DWXシリーズ(D、WS帯+1.2GHz帯)
 3)beyerdynamic: TG1000シリーズ(D、WS帯)
 4)Panasonic:   DWMシリーズ(D、1.2GHz帯)
 5)SHURE:    ATXシリーズ(A、WS帯)
           UHF-Rシリーズ(A、WS帯)
           ULX-Dシリーズ(D、WS帯)
 6)LECTROSONICS:SM/HHシリーズ(D、WS帯)

新しいところでは、SONYは4モデルでWS帯と1.2GHz帯を全てカバーするラインナップを揃えたこと、beyerdynamicは送信機・受信機ともに1モデルでWS帯をカバーできること(他メーカ製品はいくつかのモデルでWS帯をカバーしている)、Panasonicは日本全国で使える1.2GHz帯のみを対象とした点、LECTROSONICSが加わった、などが挙げられます。


機材









 花道に並べられた
 各社のワイヤレス受信機


音質テストはなんと、男性・女性ボーカルの声と歌とタンバリン等の楽器を、有線マイクをリファレンスにしてワイヤレスマイクと交互に持ち替えるというシビアなものでした。
また、多チャンネル運用のテストはコーラス隊32人(一部16人)がそれぞれマイクをつけて歌いながら舞台・客席をバラバラに動き回るというものでした。
こんなデモはふつうできません。こんな機会だからできた貴重なテストだったと思います。


テストの様子








 男性・女性ボーカルと
 楽器によるリファレンス
 マイクとの比較テストの様子


それにしてもワイヤレスマイクと有線マイクの音質の違いが以前に比べたらだいぶ少なくなってきたのに驚きました。デジタルとアナログの違いも好みの範疇と言えるでしょう。電波の直進性が強く受信の不安定性が心配されている1.2GHz帯の機種ですが、テスト会では特にWS帯との差を感じませんでした。

最後に会場から質問で「WS帯で使用する周波数が例えば3モデルに渡る場合、機器負担してもらえるのは送信機は3台だがマイクヘッドやバッテリーは1台になると聞いた。しかし、マイクヘッドは頻繁に付け替えるように想定されておらず、故障や劣化の原因となる。これでは移行前と同様の使用状況を確保にはならないのでは?マイクヘッドも3台分負担してもらえないか」というのが出されました。ワイヤレスマイクのメーカの方も、マイクヘッドの頻繁な交換は劣化、故障の原因となるので勧められないとコメントしましたが、700MHz利用推進協会の回答は「費用負担は流用できない機器のみで、流用できる付属品は1台分のみの負担という原則の通り。マイクヘッドは流用可能な付属品と考える」というものでした。その場では更なる議論には至りませんでしたが、安全に利用できるようにしたいという利用者の意向を汲んでもらえるように期待したいと思います。

700MHz利用推進協会のHPに2月に行われた4回のテスト会のアンケート集計結果が載っていますが、そのページの本文に「アンケート結果を次のテスト会に活かします」とあるので、今後も開催されそうです。

 
1月28日〜29日に山形市民会館で開催されたFBSR会音響技術研修会に今年も参加しました。

毎年面白いネーミングのテーマですが、今年は「音響空間物語〜モノ(モノラル)からものがたり(空間創造)へ〜」というもので、音響空間が取り上げられました。

仮設音響反射板
 2日目の仮設音響反射板での実験の様子

PAも録音もモノラルから始まり、ステレオ、サラウンドと段々に音響空間を取り込み、表現しようと発展してきました。その歴史を尚美ミュージックカレッジの半田先生が、興味深いエピソードと貴重な音源の数々を織り交ぜて解説されました。

1日目はその他に、単に周波数特性をフラットにするのでなく感覚的な重みづけを考慮したスピーカチューニング法の紹介や、会場のプアーな音響をディレイスピーカを使って補強する実験などが行われました。

小ホール
 小ホールの様子。小ホールにはSSL、STUDER、DIGICO、ROLANDの
 録音ミキサーが集まりました。

2日目の最初はピアノ演奏を例に、会場の音響を建築的に改善していく方法の実験です。
ピアノを舞台幕の状態で演奏するところから、以下の様々な方法を追加していきました。
 1)舞台幕の状態
 2)仮設音響反射板を設置(Wenger社)
 3)脇花道の鳥屋口に反射板(衝立)を設置(ピアノに音を返すように)
 4)客席階段の蹴上を反射性に(板を立てかけた)
 5)仮設音響反射板をピアノから離す

いずれも薄会長が喜多方プラザの改修の際に実験、経験したものが元になっているそうです。2)でピアノの音量がUPしましたが、演奏者は客席の響きが聞こえやすくなり時に演奏しにくくなることもあるとのことでした。そこで3)は遅れ時間の短い反射音を追加したのです。モニタースピーカで音を返すのと同じ効果でピアニストは弾きやすくなったとコメントしました。PA技術者ならではの着眼点だなと感心しました。さらに4)は客席からの反射音をさらに追加しています。舞台から見ると階段の蹴上は合計すると見かけ上結構な面積になります。しかもピアノからの距離がバラバラなので単一エコーにならずに良い効果が得られます。ピアニストの方は音が気持ちよく聞こえるようになったとコメント。これにも感心させられました。日々現場にいる人ならではの発見だとつくづく思いました。

鳥屋口衝立
 鳥屋口に設置した衝立(赤丸)

客席階段蹴上反射





















 客席の階段蹴上に
 立てかけた板

また4)の実験の際にはその効果を実際に会場のインパルス応答を測定して比較しました。これは森本浪花音響計画の浪花さんと千葉さんが担当されました。インパルス応答波形や測定用の12面体スピーカになじみのない参加者の方は興味深く見ていました。

その他、ピアノと弦楽四重奏を対象に、ONマイクとOFFマイクでのPAの違いや、ディレイをかけた場合の演奏者の反応など、興味深い研修が行われました。

機材展示
 協力各社の機材展示の様子

毎年のことですが、本研修会は座学ではなく実際に音を聞く実験が中心の研修会で、とても興味深いです。しかもテーマがとても現場的で実践的なのが魅力です。また来年も参加したいと思います。
 
先日、とても久しぶりに信濃町教会を訪れました。
日本基督教団 信濃町教会(新宿区)は9年前に私が永田音響設計在職時に担当した教会です。

きっかけは、教会の方からヘッドウォーン・ワイヤレスマイクの修理に関して連絡があったことでした。せっかくご連絡を頂いたので、しばらくぶりにミサを見学させていただきました。

ヘッドウォーン(耳かけ式)マイクは、タイピンマイクがどうしてもハウリングしてしまうという教会の方からの相談に、私が提案したものでした。これはマイクを口元に近く配置できるのでハウリングに強く、安定して声を集音できるからです。海外では様々なシーンでよく使われていますが、日本ではあまり広まっていません。デモ機を試用して頂いたらとても好評で早速購入されました。

その後ずっと信濃町教会ではミサ中の聖餐の時にヘッドウォーンマイクを使っていて、とても良好だそうです。聖餐の時になると牧師が慣れた手つきでヘッドウォーンマイクを付けて、聖餐台のところに出てこられます。

教会では大きな聖書をめくるのに邪魔になるため、卓上マイクが口元から遠くなりがちです。また、響きの多い礼拝堂ではタイピンマイクを音量を上げて使用すると部屋の響きも拡声されてハウリングしやすくなります。そのような教会空間にヘッドウォーンマイクはとても有効です。耳にかけるのを煩わしがらずに、一度試してみてはいかがでしょうか。


信濃町教会










 調整室での操作の様子


この信濃町教会の新会堂は2004年9月に完成しました。設計は内井昭蔵+内井建築設計事務所、音響設計は永田音響設計です。

礼拝堂は八角形の平面形で3層吹き抜けの高さがあり、200席程の会衆席が正面の祭壇を囲むように円弧上に配置されています。会衆席の後方に、ライル兄弟オルガン製作所(オランダ)のパイプオルガン(15ストップ)を備えています。

写真のように礼拝堂の2階部分に礼拝堂を見渡せる調整室があります。他の教会ではあまり見かけない特徴でしょう。教会の方に、AV設備に詳しく、高齢化が進む中では音響設備が特に重要とお考えの方が居られたので、このようになりました。ここで音響設備とITVカメラ設備の操作が行えるようになっています。

メインスピーカはFPS製パイプラインスピーカ(専用サブウーハ付)で、祭壇の左右に設置されています。(写真で黒い棒状に見えているのがそれです。)

ミキサーはヤマハのデジタルミキサーDM1000です。見た目は操作が難しそうな印象を与えますが、信濃町教会ではミサの進行に合わせてマイクのON/OFFやレベルをシーンに記憶させ、それをユーザー・ディファイン・ボタンに割りてています。当番の方はミサの進行に合わせて順番にボタンを押してゆくだけで、簡単に音響の操作が行えるように工夫されています。デジタルミキサーならではの使い方です。

また、DM1000はポスプロを想定した機種と言えますが、その分、モニターセクションがきちんとしているので、調整室で操作する小規模な設備のミキサーにも使いやすいのです。

竣工から9年間、問題なく良好に稼働しているとのことで、教会の方から非常に満足しているとの言葉をいただき、とても嬉しく思いました。


ライルのパイプオルガンとFPSのスピーカの組み合わせは、奇遇にも私が一昨年から携わっている恵泉女学園大学のチャペルと同じなのです。何かの縁を感じずにはいられません。
 
700MHz利用推進協議会による「新周波数対応 特定ラジオマイクのテスト会」が来週11/21に浦安市民会館で開催されます。

この会は、各メーカーが発売する新周波数対応の機器を一堂に集め試聴出来る会で、新機器選定に役立てるために企画されたものです。

予約不要で無料とのことなので、興味ある方は参加されてはどうでしょうか。

来年2月にも東京、愛知、兵庫、福岡で開催されるそうです。

詳しくは下記リンクをご覧下さい。

http://www.700afp.jp/microphone.html#chap2