9/4に兵庫芸文で舞台技術セミナーが開催されるようです。
テーマは(1)音響電源のノイズ対策と(2)残響支援システムです。
興味のある方は是非どうぞ。
詳細は下記リンク先をご覧ください。

http://www1.gcenter-hyogo.jp/sysfile/center/news/2013/201308/0801_stage.html

東京ビッグサイトで開催中の第26回EMC・ノイズ対策技術展に行ってきました。
同展は日本能率協会主催のTECHNO-FRONTIER 2013を構成する17の展示会のひとつです。



私がこの仕事を始めた17-18年前ごろから問題になり始めた音響設備へのノイズ混入は、その後の様々な検討と試行錯誤の経験を経て、インバーターをはじめとする原因の判明と漏洩対策の普及、そして音響電源や機器、配線側での防御対策と普及によって、大分回避されてきたと思っていました。

ですが、それでもまだノイズ問題が発生している現場はあり、工事中に対策できれば良いですが、対策が思うように効かない現場や、これまで経験のない思いもよらないノイズが混入するケースもあるのが現状です。

そんなノイズ問題の難しさを改めて感じていたところに同展の案内を頂いたので参加しました。

会場では出展者セミナーとしてノイズカットトランスで有名な(株)電研精機研究所のセミナーに参加しました。建物内の機械のノイズが放送設備スピーカの音に混入するという、私たちの状況に近いケースをモデルに、考えられる原因と混入経路の特定および対策方法について、短時間ながら分かりやすく説明がありました。



自分の理解が正しい事を再確認したとともに新しい知識も入手でき有意義でした。自分の知識の更新、怠らないようにしたいです。


展示の方では、音響設備のノイズ対策に関連しそうなものとして電磁波シールド材、ノイズカットトランス、電磁波測定器などがありましたが、革新的な物はない感じで、多くは機器を設計製造する上でのノイズ対策技術の展示でした。

会場で電研精機の方と話していて、ノイズ対策の多くの部分がまだまだノウハウであると感じました。
そういうノウハウ的な情報は、講演者が予め話題を用意するセミナー形式よりも少人数の座談会的な形式で行ったものを記録にする方がいいように思いました。

そんな座談会を企画しようかと思案中です。
ヤマハの残響支援システム「AFC3」の体験セミナーに参加してきました。

この会は「AFC3」の導入施工を担当しているヤマハサウンドシステム(株)の主催で、同社が「AFC3」を含む音響設備を施工した「ふるさと新座館」(埼玉県新座市)で行われました。



AFCなどの残響支援システムのデモは展示会等で仮設的に体験できることはありますが、実際のホールで体験できることは少ないので貴重な機会です。

ふるさと新座館のホールの残響時間は1.1秒(反射板設置時、空席、500Hz)ですが、これをAFCによって1.4秒(ピアノ演奏等想定)から2.1秒(宗教曲等想定)まで5段階に伸長できるように設定されていました。

ピアノ演奏のデモでは、システムをONすると、ピアノ用として設定された1.4秒と1.6秒の設定では残響というより音が豊かになり音量も上がる感じが得られました。

それ以上の設定にするとさすがにピアノには長すぎる感じになり、弦楽器や合唱などに適すると感じられます。演目に応じて上手く使うことがいい効果を得るポイントでしょう。

恵泉女学園大学(東京都町田市)のチャペルでのパイプオルガンコンサートに来ました。



今回の演奏はミューザ川崎シンフォニーホール・オルガニストの近藤 岳さんです。
普段あまり演奏されることがなさそうな楽曲が多くあり楽しめました。オルガンに近い席にいたため音量が大きめでしたが、幸いきつくは感じませんでした。(写真は座った席から撮ったものです)



演奏前に近藤さんがワイヤレスマイクを使って簡単にお話しをされました。

チャペルの音響設備は昨年から私が音響設備のメンテナンスを担当していて、声がスカスカにならないように中低音を適度に残すチューニングにしてありますが、男性の近藤さんがオンマイクで話すとチョット中低音が残っていました。ただ、聞きとりにくい程ではありません。

ノンオペで使う施設の場合は近接効果の少ないマイクを積極的にチョイスするべきかなと考えました。

東北の音響技術者が中心となっているFBSR会の技術研修会が1/29〜30に山形市民会館で行われ、参加してきました。
 
 山形市民会館の大ホール

今年のテーマは「ラインアレイスピーカ」。
 
ラインアレイ式スピーカのもとと言えるSHUREのVocal-Masterとポイントソース式スピーカのALTEC A5という往年の名機たちと、近年のラインアレイスピーカ(Nexo、RCF)とポイントソーススピーカ(TANNOY、Electro-Voice)たちを聞きながら、それぞれのスピーカの開発思想や性能、特徴を学び体感しました。














 往年の名機
 SHURE Vocal-Master(右)と
 ALTEC LANSING A7(左)


 




 最近のラインアレイと
 ポイントソーススピーカ

 右から
 Nexo GeoS8+CD12
 RCF D LINE
 TANNOY VQ
 Electro-Voice EVF
 
 
Vocal-MasterやA5の音を実際に聴くことができたのは、とても貴重な体験でした。
 
試聴用の音源にはCDもありますが、メインはエレキバンド、民謡、ピアノとアコースティックギターとボーカルの生演奏など。この生演奏で研修をするのがFBSR会の特徴です。
スピーカの違いによるマイクへのかぶりや空間の響きの影響の変化など、実際のオペレーションの状態で体験できるように意図されています。

大ホールでは上記のようなSR中心の研修が行われ、小ホールでは大ホールでの生演奏をマイクで集音しミックスするという放送・録音中心の研修が同時に行われました。このあたりもFBSR会らしいスタンスです。

音響技術者たちによる自分たちのための研修会です。
興味のある方はぜひご参加ください。

FBSR会公式ホームページ
https://sites.google.com/site/fbsrofficial/Top
デジタルアンプが発する高周波ノイズが赤外線ワイヤレスマイク回線に影響し、音声にノイズが乗る現象を経験しました。

デジタルアンプの発生するノイズがスピーカ線から輻射されてアンテナ線や受光部に影響しているようで、アンプと赤外線ワイヤレスマイクの受信機がラック内で近接している場合や、アンテナ線とスピーカ線が並走して配線されている場合に見られるようです。

ノイズは音声が出ている時だけ、音声の抑揚に呼応して発生していましたので、定常的なザーというものではなく、ザッザーザザッザーといった感じのものです

場合によってはノイズではなく、赤外線マイクの受信ができないとか、受信可能距離が極端に短くなる、といった症状になることもあるそうです。

これらは赤外線ワイヤレスマイクのチャンネルのうち、ノイズの周波数に関係するチャンネルに発生します。そのため使用しているチャンネルによっては、デジタルアンプと併用しても症状が現れない場合もあります。

あるメーカーの赤外線ワイヤレスマイクのカタログには、デジタルアンプのノイズについて注意書きがあるそうですが、私は知りませんでした。知らなかった方も多いのではないでしょうか。

そのメーカーの方によると、事後対策としては、アンプにスピーカ線が接続された状態で、アンプのスピーカ出力のマイナス端子とアンプ筐体のグランドをコンデンサを介して接続することで対策できるとのことです。実際に担当している現場で上記の対策をして頂いたところ、十分な効果が得られました。



スピーカ線をシールド線にすることでも効果があるとのことです。
 
今後計画される際にはご注意ください。(自分も含めて)
また、もし類似の症状がある場合には、一度、上記を参考に赤外線ワイヤレスマイクのメーカさんに相談されてはいかがでしょうか。
昨年末になりますが、オリンパスホール八王子の2年目経年検査に行きました。
検査は特に問題なく終了しました。

八王子2年目

検査前、市内の小学校の連合音楽祭が行われていました。こんなホールで演奏できるなんて素晴らしい経験ですね。羨ましい!
 
オープンした一昨年の稼働率はなんと82%で、今年も88%程度になる見込みとのこと!建設に携わった側もうれしい限りです。
利用頻度の高いジャンルは、ポップス24%、学校関係24%、クラシック20%、講演7%、舞踊・バレエ6%とのこと。横浜や大宮と並ぶ都心近郊の大型ホールとして注目されてきているそうです。
 
お気に入りの演目があればぜひ一度訪れてみてください。

http://www.olympus.hall-info.jp/pc/index.html
昨年の夏のことになりますが、設計・監理の手伝いをしていた体育館の音響設備改修工事が終わりました。残響が5秒くらいある厳しい建築音響条件での改修のアプローチは…

体育館(改修前) 改修前の体育館

改修前のスピーカは写真のように体育館の長辺壁の片側に4台設置されていました。旧式のトーンゾイレスピーカで、片側からアリーナ全体をカバーしていました。これだとスピーカと反対側のエリアでも聞こえるように大きな音量を出す必要があります。その音がアリーナ床→対向する壁→天井→スピーカ側の壁→アリーナ・・・と反射を繰り返して、余分な響きを発生してしまいます。

体育館1 改修後の体育館

そこで改修では、スピーカを当初の倍の8台に増やし、長辺壁の両側に設置してアリーナの半分ずつカバーするようにしました。1台のスピーカでカバーするエリアを狭くすることで、必要な音圧と余分なエリアへの音の入射を減らし、響きの発生をできる限り抑制する狙いです。
加えて当初は専用のスピーカがなかった短辺側の観客席へもスピーカを設置しました。

スピーカは全てTOA T-550を採用しました。60×60度という指向角度、手頃な25cmウーハ、明瞭な音質、取付金具も付属で安価、防球構造と、本件に最適でした。

体育館2

これだけ残響が長い場合、本来ならまずは建築的な吸音処理を行うことが必要なのですが、今回はそれができない改修でしたのでスピーカの計画が重要となりました。

スピーカに加えて、ワイヤレスマイク受信機のボリュームを控えめに設定し、マイクに入る空間の響きも少なくなるよう工夫しています。この空間の響きの影響が拡声には重要で、CDなどの録音ソースだけでの調整では不十分です。

そうそう、低予算でしたのでイコライザ内蔵のラックマウント型デジタルミキサーを使用したのですが、3バンドあると思っていた入力イコライザがhi, mid, lowとなっていて、設定できる周波数範囲が限定されていて、Qも固定だったのが誤算でした。思った周波数にイコライザを当てられず、HPFへの切替もなく…。取説まで目を通しておくべきでした。設備用のミキサーほど、もっと入力イコライザを充実してほしいと感じます。
恵泉女学園大学チャペルのオルガン奉献10周年記念コンサートに伺いました。

演奏はヴォルフガング・ツェラー氏。
空間の静寂さが感じ
られる音量と優しい音色で彩られた、素晴らしい演奏でした。

恵泉2 恵泉1

ここのオルガンはライル社製で、以前私が関わった信濃町教会と同じです。
そしてなんとスピーカもFPS
製パイプラインで一緒なんです。
不思議な縁を感じます。

恵泉女学園大学チャペルでは定期的にオルガンの演奏会を催しています。
興味のある方は下記の大学HPをご覧ください。

http://www.keisen.ac.jp/institution/christianity/concert/
 
※写真は春にメンテ・調整に伺った時のものです。
 先日、区内の中学校の吹奏楽部が集まる演奏会が区民会館でありました。

演奏から戻った娘に感想を聞くと、

「舞台裏のチューニング室は冷房が効き過ぎて寒いのに、舞台は超暑くてチューニングが狂いまくり。チューニング室なんだからもっと舞台との温度差をなくして欲しい。」

と、ごもっともな意見が返ってきました。

公共ホールの設計に携わる身として、様々な理由で妥協せざるを得ない状況は理解しながらも、ごく普通の公立中学のごく普通の吹奏楽部の1年生でも、これくらいのこと思うんだと再認識です。

誰のために造るのか、何のために造るか。

設計だけでなく運営の面でももっと利用者の目線になって行きましょう。